- 夏休み前
- 問題点
- アイデアの練り込みが不完全な状態でセクション分けをして作業を始めてしまったため、お互いの作業状況、パーツの形状などを十分に把握できなかった。結果として、各パーツの取り付け段階でパーツ同士の位置調整に手間取るなどのトラブルが発生した。
- 改善策
- 豊田高専ほどにとまでは言わないが、焦って作業を始めようとせず、じっくりとアイデアを練る。各セクションの構造を担当者だけで考えるのではなく、全員で思いついたアイデアを言い合う。セクション担当者はその中から選ぶだけ、というほどにアイデアを出し尽くす。連絡を密にし、制作に入る段階では、メンバー全員がこれから作るマシンの全体を想像できるようにする。夏休み前の作業はアイデア出しとミーティングを中心にするくらいに。
- 夏休み中
- 問題点
- 時間がたくさんあるという安心感から気が緩み、作業効率が低下してしまった。
- 休みだという気分があって、グラウンドやアリーナに遊びに行ってしまったり、作業場に漫画など気を散らすものを持ってきたりした。
- メインとなるマシンができていないのに、補助的な役割のパーツやマシンの制作に手を出したため、メインマシンの完成が遅れた。
- 夏休みの制作スケジュールがいいかげんで、時間の管理もだらしなくなっているために期日を守ろうという意識が希薄だった。さらに、予定が狂ったときの修正をしなかった。
- 改善策
- 長期休み期間中、ずっと室内で作業詰めなので遊びたいと思うのは仕方ない。無理に押さえつけても不満が募り、作業効率が落ちる。遊ぶとしても時間を決め、計画的に。作業と気分転換をうまく使い分け、皆が気持ちよく作業できるように努める。
- 今、もっとも力を注ぐべき場所はどこか、最重要なのは何か、ということを常に考えて行動する。行おうとしていることが急ぐ必要がないのであれば、他にもっと優先すべき作業がないか探して手伝う。
- 時間、場所、道具にもっとも恵まれた、ロボット制作に最適な期間である夏休みを最大限活用するため、多少時間がかかっても現実的で効率の良い、綿密な計画を立てる。
- 夏休み後〜地区大会
- 問題点
- このときになってからマシンの不具合に気づき、あわてた。
- 夏休みにだらけたしわ寄せがきて、帰る時間がどんどん遅くなった。
- 改善策
- 地区大会後〜全国大会
- 問題点
- 地区大会が終わったことで気が緩み、夏休み中のようなだらけが再発した。
- この時点で地区大会のマシンに変更を加えすぎてしまったため、バランスが崩れるなどのトラブル発生の際、元に戻せなくなってしまった。
- 練習が不十分だったので、どこが悪いかに気づくのが遅れた。
- 改善策
- この時点で計画を立て直し、時間がないということを自覚する。
- 地区大会のマシンは、大会時の不具合、故障を直す程度にとどめ、無理な改造をしない。大規模な変更を加えたいときは、もう一機マシンを作る。
- 作業に没頭しすぎず、練習時間をしっかりとる。常に誰かが練習をしているくらいの気持ちで。
- 大会前日、当日(地区、全国)
- 問題点
- 作業の役割分担や、マシンのチェックをする上で、手抜かりがあった。
- それが原因で、バッテリーの替え忘れなど、単純なミスで、貴重なテストランを無駄にした。
- 他高専の偵察を十分にできなかった。
- 運んできた長材の使い道がなくて、スペースを無駄にした。
- 改善策
- あらかじめ会場での作業や、マシンのチェック、偵察などの役割分担を決めておく。
- 長い部材は学校で加工して持って行き、会場で作るのは小さな部材のみですむように準備する。
- 予備材は十分に作っておく。電子回路も予備があることが望ましい。
- 持ち物はよく選ぶ。役に立たないものを極力持って行かないようにする。
- リーダーはこの時かなり忙しくなるので、他のメンバーができることはする。リーダーが落ち着いて全体を見ることができるようにサポートする。
- 全体的に改善すべきこと
- とにかく計画はしっかり立てる。始めに無理な予定を立てると、守れなかったときにそのままずるずると無計画に進めがちになる。余裕を持った計画を立て、どうしても修正できなくなったらすぐにその後の計画を立て直す。急がば回れ、結果的に効率よい作業ができる。
- 休みの日や、早く帰る日なども決めておく。休みがないと、宿題やレポートが気になって、だんだん来なくなるメンバーが出る。
- 掃除、帰宅の時間は守る。終わる時間が決まっていれば、それに向けてメンバーのやる気が出る。時間超過が多いと、いつ終わるのかが気になって作業に集中できなくなる。
- 休日は、集合時間を守る。遅刻には罰則をつけ、時間厳守の意識を高める。
- 無断欠席をしない。無断欠席は、作業の計画が狂うだけでなく、きちんと来ているメンバーにかなりの悪感情を抱かせる。また、そういうメンバーを放置しておくと、そのことでさらに雰囲気が悪化するだけでなく、無断欠席の習慣が他のメンバーに伝染していくため、即クビにするくらいの気持ちで対応する。
- 理由があって欠席をする場合は、できるだけ早くリーダーに連絡する。当日に急用が入ったのでなければ、遅くとも前日のうちに連絡しておく。欠席表の管理をしっかりし、メンバーの予定を把握するようにする。
- ミーティングは作業後だけでなく、大きな変更を加えるとき、皆に相談したいことがある時にはいつでも招集する。必要を感じたときには、リーダーに申告する。
- 必要ないセクションができたり、方針を変更したりするときは、素早く対応する。使わないパーツや機構をいつまでも作ることがないように。
- 他のメンバー、できればもう一方のチームが何をしているかも把握するように全員が努力する。そうすることによって遅れているセクションを手伝ったり、メンバーのミスに気づいたりできる。
- 整理整頓をしっかりする。掃除は真面目にする。1年生だけに任せないで、上級生もちゃんとやる。数の少ない工具が紛失して大会が終わってから見つかった、などと言うことの無いように。製図もまとめてきちんと管理し、間違って捨ててしまったり、無くしてしまって描き直したりという事態にならないように気をつける。描き直しはかなり時間が無駄になる上、描き直した製図が正しいという保証がない。誰が、何のパーツを描いたのかがわかるようにする。
- 基本的な部材は、無くなる前に注文し、部材待ちの時間を減らす。残っている部材の量を把握する。廃材をもっと再利用しやすいように工夫する。
- フィールドは、制作者と相談して力のかかる部分などをあらかじめ伝えておく。
- リーダーの負担を少なくするため、事務的なことも積極的に手伝いを買って出る。リーダーは他のメンバーに頼るように。
- マシン、技術についての反省点
- 角パイを使いすぎる。角パイは組みやすいが、アングルであれば半分の重量ですむし、安い。アングルでも正しく組めばかなりの強度になる。まずアングルで作って、強度が足りなかったら角パイに替えるようにする。
- 一つの核を決めて、それにパーツをつけていく作り方は、不格好で非効率的なマシンになりやすい。また、いっぺんに複数セクションを作りづらいので、作ったパーツをつけやすいフレームを作った方が良い。
- 航空の電子を進歩させるために、電子科は出しゃばるようにする。機械科は電子科にもっと相談する。
|