ロボ研でよく使う部材

ロボット研究同好会は企業や研究機関ではありませんから、板金をプレス加工してフレームにしたり、樹脂を金型に流し込んで外装パーツを作ったり・・・等という希望は到底叶いません(言うまでもないことですが)。
高専によっては業者に依頼して美しい曲線に仕上げたパイプをマシンに使っているところなどもあるようですが、手間や費用を考えるとやはり基本的には出来合いの部材を切断・穿孔してマシンのパーツに加工することになります。部材といっても多種多様ですが、種類はできるだけ少なくした方が部材の使い回しができるので便利で経済的です。次にロボ研で主に使われている部材を紹介します。
アングル
断面がL字形をしているので「L字」と呼ぶこともあります。right angleで直角という意味なので「直角に曲がった部材」ということなのでしょう。ロボ研以外で使われている語かどうかは不明です。10×10mm、15×15mmが主流です。
部材の中ではもっとも安く、軽く、弱い部材です。弱いと言っても、正しく組めば相当な強度になるので、ミニコンレベルのマシンならアングルだけでも十分作れます。パーツを作るときは、まずアングルで作れないか試しましょう。
チャンネル
断面がコの形なので「コの字」と呼ぶこともあります。
channelは「溝」という意味があるので「溝のついた部材」という意味だと思われます。やはりロボ研以外ではあまり聞きませんが・・・?こちらも10×10、15×15が主流です。
アングルと角パイの中間的存在ですが、角パイと大して重量が変わらないのに強度が大きく劣る、なぜか角パイの方が安い、側面に力がかかると歪むので穴空け精度が出ない、等の理由で角パイの方を好む人も多いです。大きめのチャンネル内に角パイを入れてレールとして使われることもあります。また、構造上、ギアボックスはチャンネルでないと作れない時があります。
角パイ
断面がロの形なので「ロの字」と呼んで・・・はいないようです。名称の意味は言うまでもなく「(四)角パイプ」の略です。これも主に10×10と15×15を使います。
主要部材中、最高の強度を持ちます。高専ロボコンマシンのフレームやギアボックス、また衝撃荷重など大きな力がかかる部分に用います。部材の中では恐らく最も使いやすいでしょう。そのためついつい多用してしまいがちですが、重量はアングルの約2倍あるので注意しましょう。
丸パイプ
φ6、φ8、φ10がよく使われます。材質はアルミ、ステンレス、真鍮、鋼など様々です。
スぺーサー、ギアボックスの軸などに使われます。実棒に比べると軽量ですが、ビスを通した場合、ビスにかかるせん断力が大きく、ビスが破断してしまうこともあるので注意が必要です。
実棒(中実棒)
つまりは棒です。断面形状が円でないものも含まれますが、ロボ研で使うのは基本的に丸棒です。軸にはφ6、φ8が多く使われますが、その他のサイズもたくさんあります。材質も金属、非金属問わず様々です。
白い樹脂でできた実棒のことを「ジュラコン」と言います。名称の由来は不明ですが、注文の明細書にもそう書いてあるので、ロボ研以外でも使われているようです。太さによっては1本1万円近くすることもある高価な材料なので、大事に使いましょう。
金属板、アクリル板
金属板は主に部材同士の結合に使います。
主に使うのはジュラルミン製の「ジュラ板」アルミ製の「アルミ板」です。厚さは通常1mmを使います。ジュラ板は強度はありますが延性が低いので、曲げ加工が必要なときはアルミ板を使います。
アクリル板は振動を吸収する性質があるため、ギアボックスに使用することがあります。使用する場合は割れに注意。厚さ5mmが主流です。
主にこんなところです。これ以外の部材、主流でないサイズの部材などは汎用性が低く、使いどころが難しいため、極力使わないようにしましょう。余った分が部室のスペースを占領すると非常に邪魔です。