ロボ研の技術や習慣、ロボコン期間中の流れなど、ロボ研の全てを記した「百科事典」を作るというのは、自分が1年生の頃からやりたかったことでした。
元々注意力、観察力、洞察力云々が弱い方なので、ボーっとしていていつの間にか他の部員(正確には会員ですが、変なので部員と呼びます)から取り残されてしまい、勝手が分からなくて慌てるというようなことがしばしばありました。そんなときによく「ロボ研内部を網羅したマニュアルがあれば便利なのになぁ」と考えていました。
ロボコンが終わって多少時間に余裕が出たので、この計画を実行しようとしましたが、具体的に考えていくうちに、思っていた程楽な仕事ではないことが分かりました。まず、自分がそもそもロボ研内部の事情をよく分かっていないということ。いわゆる「何が分からないのかも分からない」状況だったので、どこから手をつけ、どこからどこまでを書けばいいのか、全部まとめるとどれほどの量になるのか、全く見当も付かない状況でした。
また、ロボ研にマニュアルを必要としている人がいるのかということも問題でした。以前にも、マニュアルづくりに挑戦しようとしたものの「不要」だと言われて流れてしまったことがあったようなので、自分の場合も「作ってはみたものの虚しさだけが残った」などということになりはしないかと、不安な気持ちもありました。
そもそも、ロボット研究同好会のメンバーは言ってみればロボット「職人」です。職人の世界というのは「習うより慣れろ」的な空気が流れているイメージがあります。確かに、自分の力で、あるいは先輩からの口伝えによって学び、覚えることができるのなら、それが一番良いのでしょう。実際、今までの先輩たちはそうしてきました。
マニュアルが欲しいと考えるのは情けないことなのかもしれない。そう思って少々意気消沈していたところに、卒業した先輩たちが’96年に制作した「作業マニュアル」が発見されました(他の人は知っていたかもしれませんが…)。Wordのデータは残っていないようでしたが、同じことを考えた人が他にもいたことを知って、再びやってみようと言う気持ちになりました。
作り始めて初めの数日は、多少文を手直しして後は丸写しをすればいいかと思っていました。しかし、マニュアル自体が未完成品であり、更に以前と今で変わってしまった「常識」があったり、説明を補足する図の書き加えが必要だったりと、かなり大幅な改変が必要であることが判明しました。先の見えない不安にまたも妥協しそうになったとき、ふと思いついたのです、「以前から作りたいと思っていたホームページの題材としてこれを使えば、楽しみながら制作できるのではないか」と。そんなわけでこのサイト開設に至ったというわけです。
必要なのかどうかという疑問はまだありますし、マニュアルは2005年3月現在まだまだ半分もできていませんが、とにかくやってみようと思うので、どうか行く末を見守ってやってください。
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