製図を始める前に

全体図と部品図の違い
全体図(組立図)
その名の通り部品を組み立てた全体の様子が描かれた図です。ロボ研では主に全体図と呼びますが、教科書には組立図と書いてあることが多いようです。その場合、対象物(ロボット)全体の組立状態を示す物を総組立図、一部分の組立状態を示す物を部分組立図と呼びます。全体の大きさや特徴が大まかに描いてある図のことです。寸法や隠れ線など、どこまで描けばいいのか迷うところですが、あまり細かく描きすぎると見づらいので、基本的には組立図でなければ分からない寸法や位置関係、外形の寸法を中心に、理解しやすいと思う量の情報を加減しながら書き入れるようにしましょう。

部品図
各部品を製作するのに必要な形状、寸法、寸法の許容限界、加工方法、材質、製作個数などの事項を詳細に示した図面です。


 実際の加工は部品図に従って作った部品を全体図に従って組み立てるという流れで行います。図面無しで良いロボットは作れません。

製図をする上で使用する物

ロボ研内で使用する主な製図用具を紹介します。
シャープペンシル
0.5mmだけでも図面は描けますが、細線と太線を区別して描く必要があるため、0.3、0.5、0.7mmの3種類を持っていることが望ましいです。
定規
方眼紙を使った製図であれば、基本的にはロボ研に用意してある鋼尺で事足りるでしょう。航空、機械科の人なら、授業で使用するドラフタースケールが使いやすいかもしれません。
テンプレート 円定規。36mm位までの小さな円を描くとき、コンパスよりも簡単に円が描けるので便利です。
但し、シャーペンの芯の太さやペンを当てる角度によっては出来上がりの円が結構歪むので注意。
コンパス 普通のコンパスの他に、小さめの円を描くのに便利なスプリングコンパスがあります。
字消し板 薄い金属板にいろいろな形の穴が空いた道具です。細かい図で消したい部分だけに消しゴムをかけるのに使います。プラスチック製のこともあります。
ドラフター 製図台。平行、垂直な線を簡単に描けるようになっています。製図室にしかないので、ロボ研で使用することはあまりありません。
アジャストケース 大きな製図用紙を折らずに持ち運べる筒状のプラスチックケースです。入れる紙のサイズに合わせて長さを変えられるようになっています。


製図用紙について

 ほとんど方眼紙(1mm罫)を使用します。
サイズはA2、A3、A4、B4、B5が主に使用されています。描く物の大きさに合わせて、できるだけ小さな紙を使いましょう。

 製図にCADを使うという手もありますが、ロボ研内のPCの数が少ないので、現在の所はあまり利用されていません。書き換えが容易なので、便利ではあるのですが・・・