切り出し


切り出しで用いる工具

手鋸(金鋸)
言うまでもなく「のこぎり」。材料を切断する工具です。ロボ研で使う金鋸の場合、押して切るように刃を取り付けるのが普通です。
パイプカッター
パイプを切る道具です。鋸のように「挽き切る」のではなく「せん断する」ため、切り口がギザギザにならずきれいな仕上がりになります。
ロボ研にあるパイプカッターは、ステンレスパイプを切ることができません。刃が欠けるのでやめましょう。
万力
加工する材料を固定する工具です。左図は持ち運びができるタイプですが、作業場内の切り出しで使うのは普通、作業机に固定されているタイプです。
持ち運び型を使用するのは穴あけの時や、大会会場における作業等の緊急時です。機械科ならフライス盤の実習で制作するかもしれません。
手鋸(木鋸)
木工用の鋸。両刃タイプと片刃タイプがあります。のこぎりというと一般的にはこちらの方が知名度は高いでしょう。金鋸とは刃の向きが逆です。恐らく「引いて切る」方式は日本風と思われます。
両刃鋸の場合、刃の粗い方が木目に対して平行に切る「縦引き刃」、細かい方が木目に対して直角に切る「横引き刃」です。

金鋸の使い方
綺麗に切るか速く切るか、アルミを切るかステンレスを切るか、等、目的によって使い方が変わると思います。そのため、一概には言えませんが、基本的に順序は
  1. けがき線の外側に鋸の刃を当てる。
  2. 1〜2回軽く挽いて溝を付け、印とする。
  3. 両手で鋸をしっかり持ち(片手で鋸の取っ手、反対の手で鋸の頭を持つ)、体全体を使って切る。
  4. 切り終わりの少し前には、万力でくわえていない側がぐらぐらするので片手で材料を支え、鋸を片手でもって力を入れずに挽き、切り落とす。
注意する点は、
  • 切断する場所は、万力から近い部分にくわえる。遠いとぐらぐらするし、切るときに嫌な音を立てる。
  • 刃はまっすぐに立て、材料の中心線に対し直角に切る。ただし、曲がって鋸が入ってしまったらそのまま切る。無理に直そうとすると刃が折れることがある。
  • けがき線の上ではなく、外側を切る。
  • むやみに力を入れて切るのではなく、回数を重ねて切る。
  • 引くときではなく、押すときに力を入れる。
  • 手だけを動かすと鋸がぐらぐらするので、脇を締めて肘を固定し、膝を動かして切る(アキレス腱を伸ばす運動のような感じ)。ただしこのやり方だと「回数で切る」のは疲れるので、あまり端面精度を必要としない部材を切るときは手を動かした方が楽かも?
  • 異音、異常な硬さに気づいたら、そのまま切らずに原因を調べる。正しく切れていればスムーズに切断できるはず。
  • 板材等を切るときは、刃を斜めに付け替えて水平に切った方が楽なことが多い(好みによるが)。
といったところです。あとは経験を積んで覚えましょう。

木鋸の使い方
基本的な使い方は、金鋸の時と変わりません。注意するのは、
  • 引くときに力を入れる。
  • 刃が曲がりやすいので、まっすぐに、できるだけ軽く挽くこと。
  • 金鋸に比べて切りしろを大きくとる。
という位です。また、どちらの鋸も切り子が目に入らないよう、顔より下で使いましょう。もっとも、頭の上に鋸を持ち上げて使う人がいるのかは知りませんが。

パイプカッターの使い方
  1. パイプを先端のローラー部分に当て、刃がパイプに軽く当たるまでネジを締める。
  2. 刃を締め付けながらパイプカッターを回し、だんだん刃がパイプに食い込んでいくようにする。
  3. そのままどんどん締め付けていくとやがてパイプが切断される。
  • パイプをハンドドリルやボール盤に取り付けると楽に切れますが、その時は安全や順番待ちに注意しましょう。
  • パイプ内側へバリが大きく出るので、パイプをスペーサーとして使用する場合は旋盤のドリル等を使ってバリを取りましょう。
  • ステンパイプを切ってはいけません。
  • カッターを使わずにパイプを切る場合、万力とパイプの間にウエス(ぼろ切れ)で当て布をすること。