ロボコンまでの流れ
ルールが来てから大会へ至るまでの(かなり理想的な)道のりです。
|
4月下旬〜5月上旬頃 |
- ルールが来る
- その年行うことに決まったロボコンのルールが学校に送られてきます。ルールに対する質問を最初に集めるのもこの時期です。
|
(この頃前期中間試験・・・がんばりましょう) |
5月下旬〜6月下旬頃 |
- アイデアを考案する
- ルールに従ってその年に作るロボットのアイデアを考えロボ研内で発表してさらに煮詰めます。毎年、前期中間試験終了後一週間以内に行われます。
- 校内審査
- 学校から配布される専用のレポート用紙にアイデアをまとめてプレゼンテーションを行います。その後、ロボコン委員会(毎年学生指導室を中心に構成される)が、提出されたアイデアを4つまで絞り込みます。但し、その年によっては2つまで絞り込んでしまうこともあります。また、2つ以上のアイデアをくっつけて1つにするという決定がなされることもあります。ちなみに学年制限はなく、またロボ研に所属していない学生も自由に参加することができます。
|
7月上旬頃 |
- 決定したアイデアを専用のレポート用紙にまとめる
- 決定したアイデアをNHKに送るためレポートにまとめます。用紙は校内審査のものと基本的に同じですが、手直しを要求されることが多いです。
NHKでは審査の後、その年作るロボット(2台)が決定され、高専に返事が届きます。
|
ここまでは航専内のどの団体にも可能性があります。この段階までロボ研は「毎年ロボコンに参加していて、今年もアイデアをいっぱい出してきた団体」に過ぎません。だからその年によって、1台作るか、2台作るか、または(あってはならないことですが)すべてのアイデアがボツになるかは分からないのです。
選考を通過した団体には学校側が場所を提供してくれます(多分)。 |
〜7月いっぱい |
- アイデアを現実のものにする
- 決定されたアイデアを、原案者を中心にロボットの各部分についてもっと現実的にイメージします。さらに、そのイメージを元に材料、機構、加工法などを具体的に考えていきます。
|
8月 |
- 設計する
- 実際にどういう形状の物を作るかを決め、全体図と部品図を作成します。
- 試作
- 試しに設計どおり加工、組み立てを行ってみて、問題なく動作するか試してみます。問題があるようならば設計を変更します。組み立てた段階で設計の見直しを行います。
- 製作
- 決定した設計を元に本格的に材料を加工し、組み立てます。初めロボットの各部分ごとに開発を行い、後に組み合わせて1つのロボットにします。その年の方針によっては部分ごとに分けないで開発を行ったり、まとめる部分そのものが開発の対象になっていて、それに合わせてもう1回作り直したりする場合もあります。
|
この頃、出場するメンバー(クルー×3人、ピットクルー×5人)を決める動きが本格化します。 |
(夏休みの宿題を提出できるようにしましょう) |
9月 |
- 試運転
- 実際に作ったロボットが原案のように動くか試してみます。
- 出場メンバーの名前をNHKに送る
- FAXでクルー、ピットクルーの名前を送ります。
メンバーは原案者を中心にがんばった人を話し合いや投票で選ぶとよいでしょう。また、ロボットの操縦者を決めるためにも、この頃にはロボットを操縦できる段階まで完成度を高めておくことが重要です。
|
(前期期末試験・・・がんばりましょう) |
10月 |
- 練習
- 大会で勝ち抜くための練習をします。できれば、出場する2台のマシンで練習試合を行えるようにするのが理想です。大会まで、できるだけたくさん練習をしてマシンの操縦に慣れておきましょう。
- 手直し
- 練習をしつつ、操縦者の意見を元に更に手を加えて完璧なマシンに仕上げます。ただ、やたらに手を加えると練習不足につながるので大会寸前の手直しは控えるようにします。大会2週間前くらいには地区大会用マシンとして「完成」しているのが理想です。
- 大会に必要なものを揃える
- 大会の会場で必要になる工具、補修部品等を揃えます。練習と平行して行います。また、規定の制作費分の領収書も集めてリストアップしておきます。また、前日から泊まり込む人間のリストアップと会場における各自の仕事の確認を行います。
|
毎年10月下旬から11月上旬の日曜日に行われます。場所によっては大会の2、3日前に会場にロボットを発送します。その時必要な工具等も一緒に送ってしまうので、準備に抜かりの無いよう気をつけます。
メンバー及び泊まり込みでサポートする一部の学生は前日に会場へ行きます。そして大会会場のコンディション(床の材質、反発の感覚、フィールドの強度、気候等)に合わせてマシンのメンテナンスを行います。同時に大会前日行われるテストランで他高専のマシンの偵察を行います。夜、そのデータを元に作戦を立てます。
後は操縦者に任せて当日、本番で勝つことを祈るのみです。もちろん応援も盛大に行います。
|
この前後、11月の第1土曜日と日曜日に航専祭が開催されます。年によっては日程が重なることもあります。 |
〜11月 |
- 手直し
- 地区大会を勝ち抜くことができたら、そこから得られた経験や教訓を元に検討、手直しを行い、より完成度の高いマシンにします。地区大会と全国大会の間には、3倍とも5倍とも言われる大きなレベル差があります。全国の強豪高専に打ち勝つためにも、ここでより一層のレベルアップが求められます。
- 練習
- 手直しした部分のチェックを中心に、全国仕様にバージョンアップしたマシンを自由自在に操れるよう、練習に練習を重ねます。その年の大会スケジュールによっては地区と全国の間があまり無いこともあるので、その時は無理な改修を行わず、練習あるのみです。時間があるときも、進退窮まる状態にならぬよう、できるなら地区仕様のマシンはそのままにして、新たにもう1台作って改良するのが理想です。
|
大抵11月の第3または第4日曜日に開催されます。東京、両国国技館で開催され、我が校は「全国一国技館に近い高専」として有利な点が数多くあります。例えば関係者がメンバーを除いて宿に泊まる必要が無いという点があります(メンバーはNHKの用意する宿舎に泊まらなければならない)。また、大会前日まで学校で練習が行えるのも大きな強みです(1週間前に発送する高専もある)。不足の部材があっても学校で待機している会員がすぐに制作して配達できますし、多くの会員が秋葉原の土地勘を持つため、必要なパーツを迅速に調達できます。
大会自体は、演出が派手になったり芸能人が来たり、後は参加チームが全国規模になってレベルが上がったりしてはいますが、我々がやることは地区大会とほぼ同じです。 |
後始末 |
大会終了後、制作費の精算や作業場所の片づけを行います。勝ったり負けたりで片づけがおろそかになりがちですが、後始末をきちっと行ってこそ、その年のロボコンが終わったと言えるのです。
|
(全国大会終了後1ヶ月以内に後期中間試験があります。トホホ・・・) |
ここに示したのは1つの例で、かなり理想主義的な時間配分が書いてあります。実際はあちこち後戻りしたり、時には全てやり直しになったりと、計画通りに行かないのが普通です。但し、だからといって始めから計画を立てないで制作を始めてしまうと後で慌てることになりますので、計画はしっかりと立て、こまめに修正しましょう。
途中かっこ内に書きましたがロボコンシーズン中でも定期考査は血も涙もなくやってきます。学生の本分は勉強です。単位は大切にしましょう。
その年の総合結果によっては「学校のPRに協力する」という名目であちこちのイベントに駆り出されることもあります。また、2000年度より始まった「中学生ロボコン」の指導学生として主に1年生がアルバイトに動員されます。予定は早めに決めて無理なイベントは回避できるようにしましょう。 |
|